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かぜとインフルエンザ


かぜの原因はいろいろですが、大部分は空気中に浮遊するウイルス、細菌などの病原菌を吸い込むことによるものです。一般に寒さとかぜの関係がすぐに連想さ れますが、寒さがその直接の原因となることはほとんどなく、単にかぜを起こし易くする誘因にすぎません。しかし、寒い季節になるとかぜが流行するのは事実 です。

【その理由は】
1:一般にウイルスは、低温、低湿度ほど、つまり寒い季節の方が長く生存できる。
2:冬には窓を閉めきって換気も不十分になりがちな都屋に大勢の人が集まり、空気中の病原体を吸い込んで感染する機会が増える。
3:寒さにより、呼吸器粘膜の抵抗力が低下する。
かぜの原因となるウイルスにはインフルエンザウイルス、アデノウイルス等があります。この1O年問のインフルエンザはA香港型、ソ連型、B型の三種のイン フルエンザウイルスが交互に、または同時に混合して流行しています。中でもA型ウイルスは高熱がでます。
ウイルスは抗原構造の形をたえず変えています。そ れをウイルスが変異するといいます。10年か20年のうちには、大きな変異をして、新型インフルエンザの世界的な流行を起こします。1910年頃のスペイ ンかぜが有名ですが、戦後ではアジアかぜのウイルスが登場したときに、大流行となりました。最近は小規模か、せいぜい中規模の流行にとどまっていますが、 新型ウイルスによる大流行がいつ起こっても不思議ではありません。

【予防するには】
かぜの病原体はウイルスをはじめとする微生物が病原体です。一番の予防策は病原体をまき散らす患者になるべく近づかないことです。しかしながら、患者を隔離することは不可能であり、空気の殺菌消毒やうがい、マスクにも一定の限度があります。
そこで、病原体が侵入してもそれに打ち勝つため、身体の抵抗力を保っておくのが確実な予防法です。日頃から過労や睡眠不足を避け、栄養を十分とりましょう。
予防接種(インフルエンザワクチン)
平成6年から予防接種法が改正され、これまで学校等で実施していたインフルエンザの予防接種がなくなり、予防接種を受けたい人が病院や診療所で受ける任意 の制度となりました。インフルエンザにかかりやすいのは子供ですが、かかったときの大きい被害を受けるのは高齢者です。高齢者等ハイリスク者には予防接種 をお勧めします。

【ワンポイントアドバイス】
現在のかぜ薬は、かぜの諸症状を緩和する対症療法の薬であり、かぜの初期の段階で上手に使いましょう。
葛根湯、小柴胡湯、桂枝湯等の漢方薬も「証」に応じて使いましょう。


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